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先天性心臓疾患

「ダウン症児」の中には、先天性心臓疾患を持って生まれてくる子供もいます。一口に先天性心臓疾患といっても、本当に様々な病気の種類があります。ここでは、「ダウン症」の合併症で一番多い先天性心臓疾患について、説明していきましょう。よく見られる種類や治療法、日常生活の注意点などを説明します。

どんな病気?

先天性心臓疾患とは、生まれつき心臓に何らかの異常がある病気です。この先天性心臓疾患は、「ダウン症児」の合併症として見られることも多く、さまざまな異常があり、その種類によって診断名がついています。まずは、心臓のつくりを説明しましょう。


心臓は、体内に血液を送る働きを担っています。心筋(しんきん)という筋肉でつくられていて、弁や壁で仕切られた左心室(さしんしつ)、右心室(うしんしつ)、左心房(さしんぼう)、右心房(うしんぼう)から成っています。さらに、心臓は大動脈、肺動脈、上大(じょうだい)静脈、下大(かだい)静脈といった大きな血管で体と肺につながっているのです。


これらの部分のどれか一ヶ所にでも異常がある場合、血液がうまく循環せずに、色々な症状があらわれてくるというわけです。

種類

上記でも述べているように、先天性心臓疾患には色んな種類があります。そのなかでも、特に「ダウン症」の子供に多い病気を見ていきましょう。

心房中隔欠損症

先天性心臓疾患の中で代表的なもので、左右の心房の仕切りに穴があいている病気です。この心房中隔欠損症は小さいうちはそれほど症状が出ずに、自然治癒してしまう場合もあります。ですが、年を重ねるごとに色んな症状があらわれるため、できるだけ早期の手術が必要になります。初期の自覚症状はありませんが、次第に息切れや疲れやすさ、むくみなどの症状が出てきます。

心室中隔欠損症

先天性心臓疾患の中では、心房中隔欠損症と並んでよく見られるもので、左右の心室の仕切りに穴があいている病気です。体内に行き渡るはずの血液が、肺と心臓をまわるだけのため、その両方に負担がかかってしまいます。心室中隔欠損症も自然治癒することがあります。初期の自覚症状はなく、少し症状が進むと、息切れや疲れやすさなどが目立つようになります。

心内膜床欠損症

これは「ダウン症」の子供に多く見られる先天性心臓疾患で、心房中隔の僧帽弁(そうぼうべん)と三尖弁(さんせいべん)に接する部分と、心室中隔の僧帽弁と三尖弁に接する部分に穴があきます。初期の自覚症状はありませんが、心室中隔欠損症を合併している場合、生後1ヶ月を過ぎると肺炎を繰り返す、体重が増えない、寝汗などの症状が見られます。

ファロー四徴症

このフェロー四徴症も「ダウン症」の子供に多い先天性疾患の一つで、大きな心室中隔欠損のせいで、右心室の出口が狭くなっている病気です。皮膚や唇が紫色になるチアノーゼが代表的な症状になります。最初は泣いたときや運動のときだけ出たチアノーゼが、次第に常に見られるようになっていきます。

治療

レントゲンや心臓超音波、心電図、血液検査などによって先天性心臓疾患が認められたら、できるだけ早めに治療を始める必要があります。病気の種類によって、治療法も異なりますが、主に外科的治療として手術が行われます。また、その手術内容もそれぞれ違います。このほか、内科的治療として利尿薬や強心薬を用いた薬物療法や、カテーテル(管)を用いた風船で弁を広げたり、穴をふさいだりするカテーテル治療などが行われます。カテーテル治療を受けた場合、定期的(数年ごと)にカテーテルを交換する手術が必要になることもあります。

日常生活での注意点

赤ちゃんのうちは、ミルクを飲むことが身体に負担のかかる大仕事になります。健常の子供が一度に飲むくらいの量でも、心臓に疾患がある場合は息切れしてしまうことがあるため、一度に飲む量を減らして回数を増やすようにしましょう。また、風邪は病状悪化の要因になるので、病状が安定するまでは人混みに連れて行かないようにしてください。さらに、チアノーゼが強い場合は長時間泣いたり、排便時に強く息まないようにしなければなりません。


このほか、入園や就学などで集団生活を始めると、少しずつ病状が安定してくるでしょう。主治医のアドバイスを聞いた上で、幼稚園や学校の先生たちとも連絡を取り合いながら、無理せずに楽しく過ごせるような環境を整えましょう。先天性心臓疾患を抱える「ダウン症児」も、赤ちゃんのうちに手術を受けると、普通に生活することができます。

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